一期一会の風景に魅せられて　山写真ブログ

　まずは、オートルート（Haute Route）の概要を説明しておきます。

　日本のガイドブックにも一部紹介がありますが、英国のCicerone社から出版されている、Kev Reynolds氏が著作した、「The Walker's Haute Route Chamonix-Zermatt」を参考にしています。これは、当時オートルートを歩いていた時、多くの人が所持しており、バイブルのようになっていた本で、私もこれを利用しました。

　このコースは、シャモニからツェルマットに向って歩き、メインコースだけでも２週間もかかることになっています。短い日本人の休暇では、とても一気に歩くのは難しいのですが、バスや電車利用でショートカットすることで、ある程度は短縮することも可能です。　

　掲載した地図は、スイス南西部、フランス、イタリアとの国境地帯で、オートルートは太い青緑破線で示してあります。この中で、一度は泊ったことのある山小屋（山岳ホテルを含む）を示してあります。今回は、通常のオートルートと共に、スイス南西部の各谷奥の山小屋へも、オプションとして訪ねていますので、これらも掲載しておきました。

　私なりに、電車、バス等を利用することを前提に、でも景観のよいバリエーション・コースを追加して組み立てると、以下のようになります。あくまでサンプルですが、途中越える峠の数は約１０箇所にもなるので、一気に歩くのはかなりつらいです。また、1）～4）は、TMBコースと、また14）～15）は、ツール・モンテ・ローザ（TMR)のコースと重なっています。

1） シャモニ → ラック・ブラン小屋（小屋経由はバリエーション）
2） ラック・ブラン小屋 → ル・ツール
3） ル・ツール → バルム峠 → フォルクラ峠
4） フォルクラ峠 → アルペットの窓（峠） → シャンぺ
5） シャンぺ → ル・シャブル → ヴェルビエ → モン・フォール小屋（途中バス、電車利用）
6） モン・フォール小屋 → プラフルーリ小屋（途中２～３つの峠越え）
7） プラフルーリ小屋 → ディス小屋（小屋経由はバリエーション）
8） ディス小屋 → シェーブル峠 → アローラ → ヴぃらラ・サージュ（氷河横断あり、途中バス利用）
9） ラ・サージュ → トーラン峠（ツァテ峠） → モワリー小屋
10） モワリー小屋 → ソルボア峠 → ツィナール
11） ツィナール → ホテル・ワイズホルン（ベラ・トラ小屋）
12） ホテル・ワイズホルン → メイド峠 → グルーベン
13） グルーベン → アウグストボルト峠 → ザンクト・二クラウス → グレヒェン（途中バス利用）
14） グレヒェン →ヨーロッパ小屋
15） ヨーロッパ小屋 → ツェルマット

　　※地名のカタカナ表記は、仏・独・英語読みが混ざり、正確でないことをご了承願います

　私自身は、オートルートを一気に歩いたわけではなく、数年もかけて歩いています。また、上記コースとも異なっていますが、各小屋には全て滞在していいますので、各小屋からの景観等をお知らせすることができると思っています。それでは、ラック・ブラン小屋からスタートします。